回収リスクの回避と利用者の利便性をリアルタイムの入金確認で同時に実現!

近鉄バス株式会社 元営業部部長 斉田稔氏

新幹線の整備が進み、加えて航空運賃が値下がりしたことで、遠距離の高速移動がますます便利になっている。しかし、遠距離移動の公共交通手段として古くから親しまれてきた高速バスは、依然として人気が高いという。中でも近鉄バスは、独自の路線網と利用者サービスの充実により、利用者数を伸ばしていることで業界内外から注目されている

"自宅から遠くの目的地に"を合言葉に遠距離移動拠点のない地域に路線を展開

 「当社の高速バスは、お客様の自宅の近くからご利用できるのが魅力です」と説明するのは、近鉄バス株式会社の 当時営業部課長斉田稔氏だ。近鉄バスは、人口の多い地域ながら遠距離移動の拠点が無い、例えば、茨城県の水戸市やつくば市、栃木県の宇都宮市、福島県の郡山市、東京都の八王子市などを中心に路線を展開している。停留所に関しても同様の視点で設置しており、"自宅から1本で遠距離移動できる"サービスの提供を心がけているという。
運賃の安さも近鉄高速バスの魅力の一つだ。例えば、大阪と東京・新宿間は、片道4,800円(カジュアル・ツィンクル号)から利用できるから、往復しても1万円でおつりが戻ってくる。さらに、運行車両の装備を充実させるなど、顧客サービス向上への取り組みを積極的に行っているのだ。  しかし斉田氏は、利用者の利便性向上という点では、まだ課題があったと語る。「飛行機や新幹線の発券窓口はたくさんありますが、高速バスの発券窓口は必ずしもお客様のご自宅の近所にあるとは言えません。そこで、予約と同時に、発券も行える仕組みが必要でした」と言う。

斉田稔氏

近鉄高速バス乗車券予約・購入手順

近鉄高速バス乗車券予約・購入手順

回収リスクの回避と利用者の利便性をリアルタイムの入金確認で同時に実現

予約は電話やWebサイト・iモードで受け付けることができる。だが、発券には座席を確定する必要があり、それには運賃の入金を確認することが求められる。しかも、利用者は現金決済が多いため、仮に電話やWebサイトで予約を受け付けても、入金確認に時間がかかり、座席の確定にも時間がかかってしまうのだ。その結果、「空席の実態が把握しづらいため、お盆や年末年始の繁忙期は、お客様にご迷惑をかけることもあります」という。  そこで、近鉄バスは、ウェルネットのコンビニキオスク端末代金収納・発券システム『マルチペイメントサービス』を利用している高速バス予約管理ASPを活用した。そして、電話やWebサイトで受け付けた予約を、現金でリアルタイム決済して、空席をリアルタイムで把握することに成功したのだ。
 運賃の支払は、全国のローソンに設置されたマルチメディア端末「ロッピー」や、ファミリーマートの「ファミポート」を利用して店頭で行えるから、利用者の自宅の近所で、24時間いつでも済ませることができる。
斉田氏は「ウェルネットのマルチペイメントサービスと、当社の運行路線を組み合わせたことで、乗車の予約から発券、実際の利用まで、全てを利用者の自宅の近所で済ませることができるようになりました」と評価している。今後も"自宅から利用できる遠距離移動交通サービス"として路線を充実させていくという近鉄高速バスのサービスを、ウェルネットの「マルチペイメントサービス」が支えていくことだろう。

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